今回は2,020年代に右太ももの痛みを訴えて来院した70代女性の臨床例です。
✔発症した状況
- 2週間前から痛み出した
✔来院時の状況
- 立ち上がる時、一歩を踏み出す時が痛い
5回の治療の経過を記しました。
鍼灸治療院たけしたブログ 管理人
(はり師:第 140155 号 きゅう師:第 139966 号)
予診票
初診日 | 2020年代 1月13日 |
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性別・年齢 | 女性 74歳 |
主訴 | 右太ももの痛み | 現病歴 | 2週間前から痛み出した | 既往歴 | 記載なし | 理学検査 | 股関節屈曲(++)、Kボンネット(+) |
ペインスケール(痛みの度合い) | 1番辛い時を10とした時、今は8 |
病院での診断 | 神経痛 | その他の症状 | なし | 日常生活で困る動作 | 歩き出しと立ち上がる時 |
体温・血圧・血糖値 | 記載なし・13-80・記載なし |
薬の服用 | 降圧剤、膝の痛み止め |
治療経過
1回目 X年1月13日
肝虚証
✔はり治療
太衝、太谿、腎兪、肝兪、気海、腰陽関、フ陽、飛陽、右後谿、右大腸兪、殿圧、右小野寺氏臀部圧診点
✔きゅう治療
肝兪、腎兪、殿圧、小野寺氏臀部圧診点、腰陽関
✔治療後評価
- 軽くなったような気がする
2回目 1月15日
肝虚証
✔追加治療
右上トク鼻、右腸骨点
✔経過
- 右太もも前の外側の痛みは大分と良い
- ペインスケール 8→5
✔治療後評価
- 記載なし。
3回目 1月25日
脾虚証
✔追加治療
右大腿骨頭周囲3カ所、右環跳、
✔経過
- 股関節屈曲(++)、Kボンネット(+)パトリック(+)
- 太もも外側の痛みは無くなり、太もも内側の痛みになった
- 娘さんとお孫さんが帰省していたが、お世話がストレスだった
✔治療後評価
- 軽い
4回目 1月31日
脾虚証
✔追加治療
なし
✔経過
- 歩き始めの痛みなし
✔治療後評価
- ペインスケール 5→2~3
- 理学検査異常なし
- 念のためもう一度、治療したい
5回目 2月7日
腎虚証
✔経過
- 「調子が良い時は、スッスッと歩ける」
✔治療後評価
- 記載なし
まとめ
5回の治療の経過を記しました。
歩き始めと立ち上がるときに右太ももの外側が痛いというのが主な症状でした。
理学検査の結果、おおもとの原因は股関節にあると思いました。
それは、股関節屈曲、Kボンネットテスト、パトリックテストが陽性だったからです。
この検査が陽性の時は股関節の異常がある時です。
ということで、最初の治療は股関節を中心とした治療をしました。
✔経過
- 2回目 右太ももの外側の痛みは大分と良い
- 右太ももの内側の痛みを感じるようになった
- 4回目は右太ももの痛みはほとんどなくなりました
2回目の来院された時はペインスケールが8→5になりました。
右太もも外側の痛みが緩和すると、今度は右太ももの内側の痛みを感じるようになりました。
こういうケースはよくあって、一番症状が辛いところが良くなると、隠れていた痛みが顔を出します。
こちらの患者さん右太もも内側の痛みは膝の不具合からきていました。
それは、膝の皿を上に押し上げる検査で痛いところに響くということでわかりました。
✔主な治療
- 根本的には肝臓を補う
- 股関節、膝、腰の局所治療
東洋医学では「肝は筋を主る」といいます。
これは、肝臓の働きが悪くなると筋肉の柔軟性がなくなると言えます。
ということで、根本治療は肝臓を補いました。
局所は股関節、膝、腰のコリを取る治療をしました。
このような治療を5回続けた結果、痛みはほぼなくなりました。
あなたの、その太ももの痛み、本当は股関節や腰、膝に原因があるかも知れませんよ。
太ももの痛みでお困りの方はお気軽にご相談下さい。
今回の症例は、70代女性の右太ももの痛みの治療の記事でした。