今回は2,000年代に膝の皮下血腫を訴えて来院した50代 女性の臨床例です。
1ヶ月前に右膝を打撲した影響で右膝の3~4センチ下に皮下血腫が出来ました。
病院に行って診断してもらったが、治るのに時間がかかると言われ特に治療はなかったようでした。
治療経験はありませんでしたが治療してみることにしました。
こちらの患者さん、私の母の友人でたまたま実家に遊びに来ていた時に相談されのがきっかけでした。
約4ヶ月、6回の治療の経過を記しました。
鍼灸治療院たけしたブログ 管理人
(はり師:第 140155 号 きゅう師:第 139966 号)
予診票
初診日
2,000年代 11月16日
性別・年齢
女性 53歳
主訴
皮下血腫(右膝の3~4センチ下)
現病歴
1ヶ月前に右膝を打撲した後から。
ペインスケール(痛みの度合い)
記載なし。
病院での診断
治るのに時間がかかる。
その他の症状
肩こり、手足がむくむ
体温・血圧・血糖値
記載なし。
薬の服用
なし。
治療経過
1回目 X年11月16日
脾虚証
はり治療
太白、内関、三陰交、脾兪、血腫の部分を鍼先でつつく
きゅう治療
血腫の周囲5~6ヶ所に糸状灸
評価
・頻繁に治療に来れないということだったので、自宅で爪楊枝を5~6本束ねて、尖った方で皮下血腫の部分をつついて下さいと指示しました。
2回目 12月7日
脾虚証
・皮下血腫の部分は硬さがほぐれ、色も薄くなっている。
評価
・記載なし。
3回目 12月21日
脾虚証
・さらに色が薄くなる。
評価
・記載なし。
4回目 X+1年1月4日
肝虚証
・さらに硬さが柔らかくなり、色も薄くなっている。
評価
・記載なし。
5回目 2月8日
脾虚証
・正座をするとき右膝が痛い。
・さらに硬さが柔らかくなり、色も薄くなっている。
評価
・背中の張りが残る。
6回目 3月30日
肺虚証
・皮下血腫はほとんど消えた。
評価
・記載なし。
まとめ
約4カ月、6回の治療の経過を記しました。
6回目の治療の時は皮下血腫はほとんど消えていました。
私が開業して1年ぐらいしたときの症例で「なんとか治ってくれ!」という思いで治療したことを思い出します。
治療経験はなかったのですが、捻挫をしたときに腫れたところの周囲にお灸をするというのを鍼灸学校で学んでいたので、それを応用してみました。
後は、自宅で束ねた爪楊枝の先で皮下血腫の部分をつついてもらいました。
最初は半渇きの粘土のように硬かった皮下血腫が来院するたびに柔らかくなり、どす黒かった色も薄くなっていきました。
患者さんも気になっていた皮下血腫がほぼ消えて喜んでいました。
今回の症例は、50代女性の皮下血腫の治療の記事でした。