今回は2,020年代に腰の真ん中の痛みを訴えて来院した50代女性の臨床例です。
✔発症した状況
- 1週間前から腰の痛み
✔来院時の状況
- 体の動かし始めに痛む
9回の治療の経過を記しました。
鍼灸治療院たけしたブログ 管理人
（はり師：第 140155 号 きゅう師：第 139966 号）
予診票
| 初診日 | 2020年代 6月21日 |
|---|---|
| 性別・年齢 | 女性 53歳 |
| 主訴 | 腰の真ん中の痛み | 現病歴 | 1週間前から腰の痛み | 既往歴 | 記載なし | 理学検査 | SLR(+) |
| ペインスケール（痛みの度合い） | 1番辛い時を10とした時、今は6 |
| 病院での診断 | 受診なし | その他の症状 | 背中の痛みとコリ、めまい、疲れが取れない、くよくよ思う | 日常生活で困る動作 | 寝起きに痛みを感じる |
| 体温・血圧・血糖値 | 記載なし・120-80・記載なし |
| 薬の服用 | 漢方（自律神経） |
治療経過
1回目 X年6月21日
腎虚証
✔はり治療
陰谷、尺沢、気海、中カン、下カン、三陰交、柳谷風池、風池、上天柱、缺盆、肩井、神道、志室、大腸兪、腰陽関
✔きゅう治療
三陰交、志室、腰陽関、左大腸兪、膏肓、神道
✔治療後評価
- SLR(+-)
2回目 6月24日
腎虚証
✔追加治療
耳めまい点
✔経過
- 腰は楽になっている
- 寝起きがまだ気になる
- 朝方、ふわっとなる
- 前回、治療後自然に便通があり、宿便が出たような感じ
✔治療後評価
- 記載なし。
3回目 7月1日
肝虚証
✔追加治療
左天宗、督兪、上仙
✔経過
- 家の片付けで悪化する
- 仰向けで膝を立てて、おしりを上げた時に腰が痛い
- 左上腕と左の背中が痛い
✔治療後評価
- 記載なし
4回目 7月8日
脾虚証
✔追加治療
百会
✔経過
- 普段は腰痛も背中の痛みも気にならなくなった
- 朝に食欲がない
- 夢が多い
✔治療後評価
- お腹の張りが取れた
5回目 7月15日
腎虚証
✔経過
- 腰、背中ともにほとんど気にならなくなった
- 今朝はご飯を食べられた
- 汗がでやすい
✔治療後評価
- 体の向きを変えるのが楽になった
6回目 7月29日
腎虚証
✔経過
- 疲れがある
- 背中の重み
- 食欲不振
✔治療後評価
- スッキリしたと言って帰られる
7回目 9月3日
腎虚証
✔経過
- 調子よく過ごしている
- 右肩のコリ
- 心配ごとがある
✔治療後評価
- スッキリしたと言って帰られる
8回目 9月17日
脾虚証
✔経過
- 左の上腕が痛い
- 夢が多く、熟睡が出来ていない
✔治療後評価
- 腕が軽い
9回目 10月1日
脾虚証
✔経過
- 最近は調子が良い
- お酒も少し飲む
✔治療後評価
- 記載なし
まとめ
9回の治療の経過を記しました。
寝起きと動作の動き始めが痛いというのが主な症状で理学検査ではSLRに異常があるくらいでした。
寝起きや動き始めに痛みがある時は冷えが関係しています。
例えば、寒い日に素手を出していると指が強張って、動かすと痛いですよね。それと、一緒です。
なので、体の芯から温めるような治療をしました。
✔経過
- 2回目、寝起きは少し痛む程度で前より軽くなっている
- 5回目、腰も背中も痛みはほとんど気にならない
- 9回目、体全体が調子良い
2回目の来院された時は腰が楽になり、さらに自然に便通がありすっきりしたと言っていました。
当院の治療は急性症状以外は全体治療をするので、患者さんによっては、よく眠れたとか、ご飯が美味しくなったとか人間の生理的な部分が改善することは多々あります。
5回目には腰も背中もほとんど痛みがなくなり、朝の食欲も少し出てきました。
7回目以降は弟さんの体調不良が心配で睡眠障害がでましたが、9回目には全体的に体調が良くなり、お酒も少し嗜むようになったと言っていましたよ。
✔主な治療
- 根本的には腎臓を補う
- 腹部や腰、足の反応がある箇所を治療
東洋医学では「腎は腰なり」といいます。
腎臓系の腰痛は腰が重かったり、寝起きに腰が痛いということが多いです。
ということで、根本治療は腎臓を補い、局所は腹部や腰、足の反応のあるツボをお灸で温める治療をしました。
このような治療を続けた結果、5回目にはほぼ痛みがなくなりました。
その後も4回治療に通った結果、体全体の調子が良くなり喜んでた顔が印象的でした。
辛い腰痛でお困りの方はお気軽にご相談下さい。
今回の症例は、50代女性の腰の真ん中の痛みの治療の記事でした。
