うつ病の初期症状を知りたいですか?
うつ病になりやすい性格や原因、ほかの病気との違いを判断する方法を分かりやすく解説しています。
また、うつ病が疑われるときの対処法を解説します。
うつ病の初期症状にはどんなものがあるんだろう?最近、気分が晴れないし、食欲もないからうつ病の初期症状のことを知りた い。
こういった疑問に答えます。
本記事の内容
- うつ病の初期症状、5つ
- うつ病になりやすい性格、3つの特徴
- うつ病になる原因、2つ
- うつ病が疑われるときの対処法
この記事を書いている私の臨床経験は、15年ほど。
鍼灸治療で様々な病気、症状を治療しています。
実際に、私はうつ病の患者さんを治療して喜ばれています。
こういった私が、解説していきます。
うつ病の初期に早めに対処することが大切です。うつ病の初期症状を知り、対処することで重症化することを防げます。
3分ちょっとで読めるので、うつ病の初期症状には、どんな症状があるか知りたい方は、最後まで読んでみてください。
1、うつ病の初期症状、5つ
最初にうつ病の初期症状について解説します。
うつ病の初期症状には主に5つの症状があります。
✔うつ病の初期症状、5つ
②:食欲がなくなる
③:眠れない
④:気分が落ち込む
⑤:楽しさや喜びが感じられない
下記で1つずつ解説します。
涙もろくなる
まず、最初にうつ病の初期症状①の涙もろくなるを解説します。
セロトニンという精神を安定させる脳内ホルモンがあります。
脳内にはセロトニンという脳内のホルモンが減少すると、ドパミンやノルアドレナリンの働きをコントロールする事が出来なくなります。
ドパミンは喜びや快楽、ノルアドレナリンは恐怖や驚きに関係する脳内のホルモンです。
この、ドパミンやノルアドレナリンをコントロールするセロトニン
が減少すると感情をコントロールすることが出来ずに涙もろくなります。
例えば、職場の人間関係に悩んでいたり、仕事の辛さで肉体的、精神的に追い詰められたりしているときに仕事や職場に行こうとすると涙が出てくるなどです。
いつもなら何でもないことでも、涙もろくなる場合はうつ病の初期症状の可能性があります。
食欲がなくなる
次に食欲がなくなるを解説します。
食欲がなくなる状態のときは交感神経が優位のときです。
通常、食欲がある時は副交感神経の働きが優位になると、お腹が空いてきて自然と食欲が出てきます。
交感神経と副交感神経は自律神経と呼ばれ、自分の意志とは関係なく、お互いにバランスをとって、体の各機能の働きの調節をしています。
交感神経が優位の時はストレスが過度にかかっているじょうたいです。
私の経験ですが、資格試験の前日に試験への不安で食欲がなくなった経験があります。
上記の私の経験は一時的な物ですが、食欲がなくなる状態が1〜2週間以上続く場合はうつ病の初期症状を疑いましょう。
眠れない
3番目の眠れないを解説します。
✔眠れないには4種類あります。
②:途中で目が覚める
③:朝早く目が覚めて、そこから眠れない
④:グッスリ寝た気がしない
眠れないときの状態も体が緊張している状態です。
上記の食欲がなくなるで解説した、自律神経が関係しています。
あとは脳内ホルモンのメラトニンも眠れないに関係しています。
メラトニンは体内時計を調節する作用がある脳内ホルモンです。
眠れないという症状が続く場合は、うつ病の初期症状の可能性があります。
気分が落ち込む
次は④の気分が落ち込むを解説します。
この気分が落ち込む状態を抑うつといいます。
これも、脳内ホルモンのドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンが関係しています。
このような状態のときは、普段では何でもないことでも、ささいな事で落ち込みやすくなります。
ささいな事で気分が落ち込む状態が2週間以上つづく場合はうつ病の初期症状だと疑ってみて下さい。
気分が落ち込む
次は④の気分が落ち込むを解説します。
この気分が落ち込む状態を抑うつといいます。
これも、脳内ホルモンのドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンが関係しています。
このような状態のときは、普段では何でもないことでも、ささいな事で落ち込みやすくなります。
ささいな事で気分が落ち込む状態が2週間以上つづく場合はうつ病の初期症状だと疑ってみて下さい。
楽しさや喜びを感じられない
最後は⑤の楽しさや喜びを感じられないを解説します。
今までやってきた好きな事や趣味に楽しみを見出せなくなります。
例えば、毎週たのしみにしていたドラマを観たくなくなり、興味もなくなります。
今までやってきた好きなことや、趣味が楽しくなくなり、やる気もなくなったりした場合はうつ病の初期症状を疑いましょう。
2、うつ病になりやすい人の性格、3つの特徴
✔うつ病になりやすい人の性格、3つの特徴
特徴②:几帳面
特徴③:正直
この、「きまじめ」、「几帳面」、「正直」を解説します。
特徴①:きまじめ
人の2倍、または3倍まじめなひとのことをきまじめといいます。
✔きまじめな人の長所
- 我慢強く、責任感があり、弱音を吐くことを嫌がる
- 生活のルーティンが決まっている
- ストイックで、特に自分に妥協がない
✔きまじめな人の短所
- こだわりが強く、融通が利かない
- 柔軟性がないので、アクシデントに対応できない
- 冗談で言われた事を、まともに受けてしまい感情的になる
例えば、メジャーリーグで活躍したイチロー選手は、体調の変化に気づきやすい様に毎日、朝食はカレーを食べていたみたいです。
きまじめ」な人は、我慢強く、自分に妥協がない。半面、こだわりが強く、柔軟性がないのが特徴です。
特徴②:几帳面
整理整頓が好きで、計画性があり、手抜きをしない人を几帳面といいます。
✔几帳面な人の長所
- 用意周到なので、ミスが少ない
- 細部にまで気が利くため、何事も安心して任せられる
- 礼儀やマナーがしっかりしている
✔几帳面な人の短所
- 細部にこだわるため、何事も時間がかかる
- 手を抜くことを嫌うため、他人にも厳しくなる
- 物事が計画通りに行かないと、動揺したり、不安になる
例えば、子育てにおいて、離乳食をレトルトなどに頼らず、すべて一から手作りにこだわるとかですね。
几帳面な人は、準備に怠りがないため、仕事などを安心して任せられる。半面、物事に時間がかかったり、物事が計画通りに行かないと動揺する。
特徴③:正直
心が純粋で、好き嫌いがハッキリしていて、感情を表に出す人を正直といいます。
✔正直な人の長所
- 裏表がないから、人に信頼される
- 自分の気持ちをストレートに言うため、ストレスが溜まらない
- 打算をしないので、良好な人間関係が築きやすい
✔正直な人の短所
- 隠し事を自分の中で留めて置くことが出来ない
- 人を疑わないので、騙されやすい
- 時と場合を考えず、本音を言ってしまう
例えば、一緒に仕事をしている同僚がミスをして、その仕事が滞った時に、それを人前で何の気なしに言ってしまう。
正直な人は、裏表がないため良好な人間関係を築きやすい。半面、騙されやすく、つい本音を言ってしまいます。
3、うつ病の初期症状が発症する原因、2つ
うつ病になる原因には2つあります。
その2つは、環境要因と身体疾患的要因です。
ここでは、この2つの原因を解説していきます
環境要因
まず、1つめの原因は環境要因です。
環境要因とは、自分の身の回りで起こった出来事のことです。
✔環境要因には以下のものがあります。
- 家族や親しい人との死別
- 劣悪な仕事環境
- 人間関係のトラブル
- 家庭内のトラブル
- 妊娠・出産
うつ病の患者さんの話を聞くと、この環境要因の1つだけが原因ではなく、2つ、3つと重なったときにうつ病にかかり易くなるようです。
例えば、出産後3ヶ月ほどで職場復帰したものの、人手不足で仕事量が増えて疲労がたまり、その上、家に帰れば子育てと家事に追われ更に疲労がかさなり、疲れが取れない状態とかです。
環境要因は、自分の身の回りで起こる、環境の変化のことです。
この、環境の変化が2つ、3つと重なる場合はうつ病にかかるリスクが高くなります。
身体疾患的要因
身体的疾患要因とは、原因が病気や手術などということです。
✔身体的疾患要因には以下のものがあります。
- アルツハイマー型認知症
- 脳の損傷
- 更年期障害
- 外科手術
例えば、有名なタレントさんが、頚椎の手術をした後に、その手術がストレスとなりうつ病にかかったという話もありましたよね。
身体的疾患要因とは、脳の異常だったり、ホルモンバランスの崩れ、外科手術によるストレスなどです。
4、うつ病の初期症状が疑われるときの対処法、2つ
うつ病が疑われるときの対処法は2つです。
休養と病院受診です。
休養
まずはしっかりと休養を取ることが大切です。
人間には故障した箇所を治そうとする自然治癒力があります。
ゆっくりと休むことで、この自然治癒力を十分に引き出すことが大事です。
そのためには・・・
- 仕事の時間を短くしてもらう。
- 時には長期の休みを取得する。(傷病休暇を利用する)
- 仕事じたいに原因があるなら、離職することも考える。
- 家事や育児を家族に協力してもらい負担を減らす。
例えば・・・
当院でうつ病の治療をしていた患者さんは、勤務時間を短くしてもらい、心身の負担を減らすことに成功しました。
うつ病の初期症状が疑われる場合は、しっかりと休養を取って、心身が回復することを優先しましょう。
病院を受診する
心療内科や精神科を受診しましょう。
自分の症状がうつ病の初期症状に当たるのか、診断してもらうことで、それが安心材料になることもあります。
また、仕事をされている方では、心療内科や精神科での診断が出れば、傷病休暇を取得しやすくなるメリットもあります。
例えば、心療内科を受診して、薬が処方されたり、カウンセリングで生活に関するアドバイスを受けられたりという事があります。
うつ病の初期症状が疑われる時は、心療内科や精神科を受診しましょう。
まとめ:うつ病の初期症状の事を知りましょう。
最後に本記事のまとめを紹介して終わります。
内容をまとめると以下です。
✔うつ病の初期症状、5つ
②:食欲がなくなる
③:眠れない
④:気分が落ち込む
⑤:楽しさや喜びが感じられない
✔うつ病になりやすい性格、3つの特徴
②:几帳面
③:正直
✔うつ病になる原因、2つ
②:身体疾患
✔うつ病が疑われるときの対処法
②:心療内科か精神科の受診
うつ病は心身の症状が出て辛いものです。
どんな病気でも初期のうちに対応すれば軽症ですみます。
こちらの記事を読んで、今の自分の症状がうつの初期症状ではないかという場合は早めの対応が悪化させない方法です。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
70代女性の抑うつの症例です。約半年間の治療でしたが、3ヶ月を過ぎた辺りから体調が良くなり始めました。