咳 女性

今回は2,000年代に3ヶ月間止まらない咳と不眠を訴えて来院した50代 女性の臨床例です。

3ヶ月前から咳が出始めて、咳止めを服用するも一向に変わらない様子でした。

咳は日中が多く、睡眠中は出ないとのことでした。

咳の症状は6回の治療でほぼ出なくなりましたが、その症状が良くなると不眠を訴えるようになりました。

こちらの患者さん、旦那さんも当院の患者さんでその旦那さんの紹介でこちらにいらっしゃいました。

約4ヶ月間の治療の経過を記しました。

院長

鍼灸治療院たけしたブログ 管理人

はり師・きゅう師 国家資格 有資格者

(はり師:第 140155 号 きゅう師:第 139966 号)

臨床歴15年

予診票

初診日

2,000年代 7月30日

性別・年齢

女性 58歳

主訴

咳、不眠

現病歴

3ヶ月前から

ペインスケール(痛みの度合い)

記載なし。

病院での診断

百日咳、不眠は心療内科で交感神経優位

その他の症状

眠れない、気分が優れない、食欲はまあまあ、下痢、胸やけ、鼻がつまる、のどが狭い感じ、夜間頻尿
(6回以上)、肩こり、腰痛、左下肢のしびれ、疲れやすい、暑がり、のぼせ、カゼを引くと治りにくい

体温・血圧・血糖値

34.8度・110-90・正常

薬の服用

咳止め、安定剤

治療経過

1回目 X年7月30日

肺虚証
はり治療
太淵、太白、兪府、巨闕、左陽輔、左柳谷風池、肩井、肺兪、脾兪、身柱、督兪
きゅう治療
身柱、督兪
評価
・咳はまだ出る。
・偏頭痛は軽くなった。

2回目 8月6日

肺虚証
・睡眠、食欲、便通良い。
・咳はまだ出るが軽くなっている。
・偏頭痛も軽くなっている。
評価
・股関節の痛みが残る。

3回目 8月12日

肺虚証
・お腹が空かない。
・今朝から偏頭痛がひどい。
・咳は少しずつ良くなっている。
・先週、膀胱炎と吐き気で病院受診
評価
・肩の痛み残る。

4回目 8月19日

肺虚証
・ご飯は食べられるがまだお腹が空かない。
・頭痛はほとんどなくなった。
・咳はほとんど出ない。
評価
・記載なし。

5回目 8月26日

肝虚証
・食欲はまあまあ。
・下痢気味。
・咳、頭痛はほぼ完治。
・右膝痛。
評価
・背中の張りが残る。

6回目 9月2日

肺虚証
・食欲はまあまあ。
・咳が少しぶり返した。
・昨日、左上腹部に引きつるような痛みがあった。
・左肩痛。
評価
・記載なし。

7回目 9月8日

肺虚証
・食欲はまあまあ。
・お腹が空くと胸がモゾモゾする。
・左肩痛。
評価
・記載なし。

8回目 9月17日

肺虚証
・食欲はまあまあ。
・4日前に眠れなくなり、病院受診も異常なし。
・左肩痛。
評価
・記載なし。

9回目 9月24日

肺虚証
・食欲はまあまあ。
・便がゆるい。
・不安感がある。
評価
・記載なし。

10回目 10月2日

肝虚証
・ここ数日眠れない。
・動悸がする。。
・左腕は重だるさはあるが、前よりは軽くなっている。
評価
・足先が温かくなり、気分も少し楽になった。

11回目 10月7日

脾虚証
・土曜日、外出したら動悸がしだした。
・土曜日の夜には動悸が落ち着いた。
・月曜日から薬を服用して眠れている。
追加治療
・表情に明るさが出てきた。

12回目10月14日

脾虚証
・動悸なし。
・下痢も良くなった。
・左ひじ痛、膝痛。
評価
・前回よりもさらに表情が明るくなり、元気になってきている。

16回目 11月25日

肝虚証
・睡眠〇(安定剤は服用しない日もある)。
・食欲〇、便通〇。
評価
・記載なし。

19回目 X+1年1月6日

肺虚証
・睡眠〇(安定剤服用なし)。
評価
・記載なし。

まとめ

まとめ
私の見解

約4カ月、19回の治療の経過を記しました。

6回目の治療の後は咳の症状はほぼ良くなりました。

咳は呼吸器系の症状ですが、逆流性食道炎でも出ることがあるようです。

カルテの既往歴に逆流性食道炎と胸やけの記載があったのでそちらの影響もあったのかも知れません。

8回目の時は不眠の症状を訴え、9回目の時は不安感も訴えるようになりました。

初診時のカルテには様々な症状の記載がありました。

主訴(一番辛い症状)以外の症状が多い場合は「心の病」の疑いがあります。

実際、不眠や食欲不振、動悸、不安感という症状も訴えていたのでその可能性は否定できません。

11回目の治療の時には表情に明るさが出てきて、私も嬉しくなりました。

19回目以降も、夢を多く見る・首や肩の痛みで来院していました。

こちらの患者さんは非常にストレスを感じやすい方でした。

親戚がくると体調を壊す。

旦那さんの皿洗い後の後始末が気になり過ぎる。

そいったストレスが積み重なり、咳や不眠、動悸といった症状が出たのではないかと推測できます。

精神状態は体に影響を与えます。

当院の刺さない鍼(接触鍼や鍉鍼)は精神状態に好影響を与えます。

何かお悩みの症状がある場合はお気軽にご相談ください。

今回の症例は、50代女性の3ヶ月止まらない咳と不眠の治療の記事でした。